ビジュアルデザインスタジオ「WOW」×マツダ 光のアート空間をレポート

(10月27日に開催終了。たくさんのご来場ありがとうございました。)

"デザインを五感で楽しむ"をコンセプトにしたデザインの祭典、「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2019(東京ミッドタウンデザインタッチ2019)」。

マツダの出展8年目となる本年のテーマは「ART OF LIGHT -reflection-」。
ビジュアルデザインスタジオ「WOW」チーフクリエイティブディレクターの於保浩介(おほ こうすけ)氏のディレクションのもと、
制作された映像と共にMAZDA CX-30を彩る光の移ろいを表現した。

マツダ常務執行役員 前田育男 × 於保浩介氏
トークセッション

10月19日、マツダデザインを統括する常務執行役員 前田育男と於保浩介氏のトークセッションを実施。
マツダがWOWさんとコラボレーションするに至った経緯や、お互いのデザインやアートに対する共通の考え方についても熱く語り合った。

結局はモノで作って目で確認する。クルマもWOWのデジタルアートも。

於保氏と前田は普段から親交があり、WOWとマツダのコラボレーションはこれが初めてではない。2016年のオートモービルカウンシルから始まり、以降2017年の東京モーターショーや北米のディーラーイベントなどでもWOWの映像作品と共にステージを作りあげてきた。

左:「東京モーターショー 2017 VISION COUPE」中:「AUTOMOBILE COUNCIL 2016(オートモビル カウンシル)」右:「DESIGN FORUM 2017(デザインフォーラム)」

前田「我々は映像領域ではアマチュアなので、プロの方々に全力投球して欲しかったんです。今回のコラボレーションに際しても特段オーダーを出さずに信用していた。」

於保氏「具体的なオーダーもなかったが、割と僕らの提案をすんなり受け入れてくださってびっくりした。僕らがやらなければならない仕事は、止まっている車にどうやって躍動感を出すかということ。映像作品というよりは空間をつくるというイメージでやった仕事でした。」

これまでの協業から、二人のもつイメージは最初からうまく噛み合っていたが、今回のコラボレーションに至っては精巧なミニチュアカーやLEDパネル、ミラーを用いてアナログなシミュレーションを重ねながら最終的な配置に行き着いた。

『DESIGN TOUCH 2019』

会場にあるLEDやハーフミラーは、その配置だけでなく、高さまで綿密に計算したもの。シミュレーションは、RX-VISIONのミニチュア版で行った。また、映像に流れる赤い光は一部だけがボディに吸収されるようになっており、映像とリフレクションの違いも面白いところのひとつ。

於保氏「結局、いくら3Dの中で検証したところで、自然な写り込みの美しさや実際にどう映像が映り込むのか、どういう効果があるのかについては半分も分からない。」

前田「彼はデジタルアーティスト。だからなんでもデジタルでこなせると信じていたし、フィジカルなモデルでシミュレーションをするなんて夢にも思っていなかったが、結局はモノで作って目で確認してという作業をやるんだなと。これこそ我々のクルマづくりと近いなという印象でした。」

互いに表現の難しさを感じながらも、今回のデザインタッチの深夜設営時には、明け方までマツダスタッフと共に数センチ単位までこだわって車両のセッティング調整を行った。

左:「撮影スポットマーク」右:「マークから撮影したMAZDA CX-30」

会場床にはデザイン監修の「撮影スポットマーク」もある。逆S字カーブがきれいに出る瞬間を狙って、真剣に撮影しておられるお客様も多数いらっしゃった。

ジャッジは直感。でもそれ以前に戦略を組み立てるからこそジャッジができる。

於保氏「車は究極のマスプロダクトだと思う。経済活動にも影響していくデザインの最終的なジャッジの基準や方向性はありますか?」

前田「1台を作ると年間10万台、20万台という販売台数になり、世界中にそれだけの台数が出て行くことに対する責任と、1台つくるのに数百億の投資が必要になる。だからこそデザインのジャッジは非常に重要。ほぼデザインのジャッジは直感でやっています。直感でジャッジできるよう、きちんと戦略を組み立てていきます。」

於保氏「合点がいった。前田さんとフィーリングが合うのは、そのデザインのジャッジができる人の考える方向性が揺れることなくはっきりしているかどうかが大事で、その点では互いの美意識も似ていたと思います。」と力強く語った。

クルマのデザインが日本の景色をつくる。だからこそ、社会的責任がある。

於保氏「車が日本の景色・環境を構成する要素のひとつだとするなら、街中を走る大衆車のデザインにも社会的な責任があるとする前田さんの考え方が印象的で、クルマのデザインが美しくないと街の景色が残念になりますよね…。日本の自動車産業はどれくらいこの責任を意識していますか?」

前田「私自身も含め、日本の自動車産業はこの問題をもっと意識していかなければならない。世界的なレベルで考えても様式が整ったヨーロッパのような街並み・環境にしていくのは簡単なことではない。だが誰かが何かをやっていかないと、恐らく日本は新興国にも越されてしまう。今こそまさに自動車業界に限らず空間展示や映像業界なども含め、日本のデザインはターニングポイントを迎えていると思う。」

クルマや、ビジュアルデザインが切り拓く日本の未来まで話が広がる、トークセッションとなった。

展示車情報

MAZDA CX-30

深化した魂動デザインの要素である「余白」「反り」「移ろい」の考え方をもとに、書道の筆遣いに見られる「溜めと払い」を造形テーマとしたCX-30。
ボディ面は周囲の景色がS字型に揺らめきながら、移り込みます。
ぜひご覧ください。

CX-30について詳しく

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